このゲーム内で出てくるグールは人間の肉を渇望して我慢できなくなる性質の人間のようです。他の肉では満足できません。グールたちは基本ムスリム（イスラム教徒）ではありませんが、時には食人が真の教え（イスラム教）に反する行為であると認識していて、それでも人肉を食べることをやめられず悲しむグールも登場します。中には会話の途中で我慢しきれず腕にかぶりついてくるグールも。
原典のアラビアンナイトでは意外にキリスト教徒やユダヤ教徒が出てきます。ですがこのゲームでは表立って出てきません。恐らく地方性が出てしまう為でしょう。
ゲームでイスラムと対抗する邪教として主に登場するのが拝火教です。実際に拝火教と呼ばれるのはゾロアスター教ですが、ゲーム内の拝火教は生け贄を火にくべたといわれるカルタゴのバール神等の信仰をイメージを織り交ぜた、まったく独自のもののようです。ゲーム内の拝火教徒は赤いターバンを巻き、火を崇め、そして怪しげな魔法を使い、人間を生け贄として火山の火口へ突き落とす忌まわしい邪教徒です。なのでムスリムであるプレイヤーキャラクターは拝火教徒にいきなり襲いかかったりしても罪の意識をあまり感じません。宝を奪っても当然のこと、です。しかし稀にですが友好的な拝火教徒も登場しますので……キャラクターの行動には御注意を。
ゲーム中にはCamphor Islandsという場所が出てきます。Camphorが特産の場所なのですが、このCamphorが何かというとドイツ語ではカンフルで、カンフル剤といえばなじみ深い言葉だと思います。これを英和辞典で引くと樟脳と出てくるのですが、アラビアンナイトで登場するのは樟脳ではなくて竜脳です。竜脳は竜脳樹から取れる油の結晶で、代用品としてクスノキから作られたのが樟脳です。
現実にはスマトラ、マレーが産地で海のシルクロードの高価な貿易品だったようです。竜脳は強心興奮剤及び香料薬品で食用にもされており、飲料に入れてスーッとした爽やかな清涼飲料水やシャーベットに入れたのだとか。
ゲーム内では体力を回復させる高貴薬及び、ヘビ除けの薬として登場します。
（参考：香料の歴史：山田憲太郎 紀伊國屋書店）
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